忍者ブログ

コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

今日も二人は仲良しなようです

ニコニコと田んぼを見つめる結城さんに思わずため息が漏れる。
「ニコニコと言うかニヤニヤになってますよ」
「そうもなりますよ、こんな大きな結婚証明書!」
「いや結婚証明書じゃないしあくまでも友好都市記念の田んぼアートですからね?」
田んぼに描かれたのは小山のキャラクターと結城のキャラクターで、二市の小学生が共同で植えたものだった。
それを結婚証明書と言いのけるこの隣人も大概僕が好きすぎる。
「私がそう思ってるだけです」
「……曲解だ」
ぽつりとそう呟きつつもあんまり幸せそうに笑うので、ああもういいかななんて思ってしまうのだ。




結城小山の田んぼアート凄すぎた記念。

拍手

PR

花冷えの日

季節外れの雪にもほどがあると思いながらろっこくを北上していく。
水戸を県庁に送って行った後ひたちなかを途中で降ろして、自分の家へと戻っていく。
『あんまり甘やかすのは水戸殿のためにもなりませんよ』
ひたちなかが漏らした言葉の意図は分かっていた。
そして、それを十分自分でも理解している。
(海に雪が解けていく、)
窓の外の雪にふと目が行く。
降りそそいでもそれは積もらず溶けていくことが分かっていながらも、与えていくしかない。
そうすることでしか、僕は愛を伝えられずにいる。



拍手

バレンタインは残酷きわまりない

「ほい」
自宅に戻ってきた第一声はこのチョコの箱だった。
大きめの紙袋に3つ、ぎっしりと詰められたそれに思わず投げやりな目を向ける。
「なにこれ」
「預かり物のバレンタインチョコ」
「なんで牛久が預かってんの」
「今年のバレンタインは竜ケ崎がこっちに居ないから預かっててほしいって」
県のアンテナショップの仕事を水戸に割り振られて東京に行っていたのは事実だ。
しかしそれを牛久に渡すとは随分な根性である。
(投げ捨ててぇな……)
こんな山盛りのチョコよりも牛久がワインの一本でもくれるならそっちの方が遥かにいい。
何時の頃からか屈折し始めた隣人への恋慕はこの世にあるすべての物に殺意すら抱かせるほどの極端さに進行している。
「牛久はくれないの」
「バレンタインは女の子からチョコもらう日だろ?」
驚くほどの純真さでそう答える牛久に何も言わないでおく。
そうだ、こいつはこういう奴なのだ。
「手作りは捨てて高そうな奴だけ残しといて」
「は?!もったいないだろそれ」
「手作りなんて何が混入してるか分かったもんじゃないし、前に見ただろ?」
「ああ……あの血まみれチョコレート?」
テレビでもやたらとカラフルなチョコが紹介されるようになったころ、やけに赤黒いチョコを貰って怪しいから食べないでおいたらつくばが面白半分に材料を調べて赤い色が血液によるものだと判明した事が有る。
「あれ以来他人の手作りとか怖くて無理」
「……まあ、気持ちは分からないでもないな」
「牛久だって他人の血液入りチョコとか怖くて無理でしょ?」
「……責任もって捨てておきます」
牛久がそう言って黙々とチョコを仕分けていく。
高級チョコをひとつ抜き取って、指のささくれを毟って少量の血液を出す。
「牛久」
「うん?」
牛久の口に指ごとチョコを放り込む。
少量でいい、血を飲ませてやろうと思った。
それで自分の方を向くというならいくらでもそうしてやろうと思った。
口から指を抜いた後、何やかんやでチョコを飲むこむ。
「……なんでこうなった?」
「こうしたかったから」
ティッシュで指先を拭く。
牛久の唾液なら舐めとってもいいかなと思ったけど止めておいた。
「チョコ食べ切れないし消費手伝って」
「明日チョコにあう酒持ってくる」






拍手

#今日はI_Love_Youの日なのでうちの子が好きな人に思い切って告白する

*ただのTwitterログ





拍手

7月7日はだいたい雨:後

朦朧とする意識の中で声のほうに顔を向ける。
「……生きてくださいよ」
その声は確かに最愛なる隣町のものだ。
グッとその手を掴み、精一杯の笑みを差し向けた。

****

通い慣れた結城の家に足を踏み入れ、水戸線に荷物を預けて部屋に足を踏み入れる。
「結城さん」
ゆっくりとその顔がこちらに向けられる。
熱がひどいのだろうか。顔が赤い。
近寄って膝を落として触れてみるとかなり熱い。
「……生きてくださいよ」
もちろんこんな事で僕らは死なない事は承知の上だ。
ただその言葉がすっと口からこぼれたのだ。
「あなたと、生きてきますよ」
僕の手を掴んで結城は静かにほほ笑んだ。




―数日後―
結城「えっ、そんな事あったんですか」
下館「あの時近くにいた俺の居場所のなさ、プライスレスだったわ」
結城「小山さんに聞いてきます」
下館「やめろ絶対に止めろ小山が恥ずかしさで憤死するから」

拍手

バーコード

カウンター

忍者アナライズ