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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

真昼の月に溶ける

あわらと三国が一緒に並んでいるとき、嫌だなと思うことがある。
「会議まだ終わらないからって機嫌悪そうな顔しないで」
「……してない」
皮のむかれた蜜柑を半分こちらに差し出した春江が宥めるように言う。
ひと房口に放り込めば甘酸っぱい冬の味がする。
「2人はもともと一緒になるはずだったんだもの、仲がいいのは仕方ないよ」
時折春江はこうして俺にフォローを入れることがあった。
別に俺が好きでもないはずなのに、こうしてフォローされるのは妙な気持ちにさせられる。
「お前は俺が好きなんか嫌いなんか分からんな」
「好きと嫌いが10づつでプラマイゼロ」
そう言い切れるということは平成の大合併の折のあれやこれやも本人なりにもう消化された事なのだろう。
春江がそう言うのならたぶんそうなのだ。
あからさまに手なんか繋いで三国とあわらがコンビニに出かけていく。
「ほんと、いい夫婦だねえ」
「別に」
もうひと房口に放り込むと、さっきより酸っぱい気がした。






坂井と春江と三国あわら。丸岡さん空気でごめんな。

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北陸とらいあんぐるはいいぞ

鯖江「北陸とらいあんぐる1巻が!出ました!!!!!!!!!!」
勝山「あんなにキラキラしたさばばー初めて見たねえ」
三国「ほうじゃな」
鯖江「……というか、なんでこの組み合わせ?」
三国「三国祭りと芝政ワールドと東尋坊が紹介されていると聞いて」
勝山「5話の扉絵が恐竜博物館だからだねー」
鯖江「なあ、気づいたんだけど」
三国「おう」

鯖江「登場する福井要素の半分ぐらい三国に持ってかれてねーか?!?!?!?!」

勝山「二巻でえーじ(※永平寺町)が出るから大丈夫だよー」
鯖江「越前和花ちゃん頼むからもっと俺を……鯖江要素を頼みます……」
三国「鯖江要素あるだろ」
鯖江「どこに?」
三国「和花ちゃんの眼鏡」
鯖江「やっぱりそこなのか!」



北陸とらいあんぐる1巻発売中です☆


という訳で北陸とらいあんぐる小ネタ話です。
1巻で出てきた福井の場所を改めて整理すると圧倒的三国率ですね……うちの鯖江さんはこれからも越前和花ちゃん推しです

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コスモスの日

家に帰ると花瓶にはコスモスの花が活けてあった。
「金津ー、これなあにー?」
「それ昼間三国さんがそれ活けて行ったんですよ」
「ふうん……」
一輪挿しに活けられたチョコレートコスモス。
普通の赤やピンクではないそれは和モダンに整えられた食卓に調和し、一枚の絵になっていた。
ポケットから携帯を取り出して写真を撮って壁紙にする。
(どんな顔で、選んだんかな?)
三国は童顔気味ではあるがどちらかと言えば精悍な男前で、こういう事にはとんと疎い人だ。
そんな人が花屋でどんな顔してコスモスを選んだのかを想像するだけで笑えてくる。
……やっぱり、坂井にはもったいないなあ。と呟いた。

****

「マル、三国は?」
「競艇場に行きましたよーっと。はい、オムレツできたから並べて!」
丸岡が手際よくオムレツを焼くのでしぶしぶ食卓に夕食を並べていく。
風呂掃除を終えた春江がオムレツに目を輝かせながら箸やお茶を準備し、丸岡が料理道具を洗い始める。
「ただいまー!」
「お帰りなさい、また競艇ですか?」
「久しぶりに勝ってきたから春江にお土産」
ほんのりと酒臭い三国がビニール袋を春江に渡し、手提げ袋に詰めておいたワンカップと柿の種を取り出してくる。
三国がこうして競艇に行くことは珍しい事じゃない。三国競艇は地域経済を潤す重要な施設だし、町としての役割から解放される前から視察と言う名目で時折競艇で遊んでいたのは全員が知っていることだ。
「ミニブーケ?」
「おう、春江に似合うと思ってな。リビングにでも飾ってくれ」
「ありがとうございます」
そうして春江がパタパタとリビングを出て行く。たぶん部屋に飾るのだろう。
ふと足元に落ちたレシートを拾うとミニブーケと共に、チョコレートコスモスを一輪買っていることに気付く。
「……チョコレートコスモスは、あわらに?」
「おう、勝って気分がいいからあわらに贈りもんしようと思ってな」
「あわらと春江にはあって、俺とマルにはないんだな」
「コスモスは死にゆく夫からの妻への捧げもんだよ、ミニブーケはみんなにだ」
ああクソ、妬ましい。
素直に湧いてきた気持ちを俺はただレシートを握りつぶすことでしか表現できなかった。




チョコレートコスモスの花言葉:移り変わらぬ気持ち


三国あわらと、現坂井市組の話。
9月14日はホワイトデーからちょうど半年なので、コスモスの花をプレゼントしてお互いの愛情を確認し合う「コスモスの日」だそうです。

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勝山くんと鯖江くん

「ねぇさばばー」
勝山は焼き鳥を食いながらいつものようにそう呼んだ。
いつもこうだ、勝山の名前のセンスはいまいちよく分からない。
俺もまあ気にせず焼き鳥を食いながら勝山の言葉の続きを待った。
「ふくふくの好きな人って誰なの?」
焼き鳥のかけらが、気管支に入った。

勝山くんと鯖江くん


「おま、福井の好きな人知らんかったんか?!」
「そう言えば聞いてなかったなーって」
ほけほけとした表情で衝撃的な事実を打ち明けられて逆に驚きしか出てこない。
福井が名付け親がかつて治めていた地に恋い焦がれていることは福井の周囲の人間にとっては公然の秘密であり、それを勝山が把握していないことに驚きすら沸いた。
この調子だと大野も知らなかったりするんだろうか、なんかそんな気がするが奥越はどうしてこうもマイペースなのか。
「……結城さんだよ」
「秀康公?人間が好きだなんて大変だねぇ」
「そっちじゃなくて土地の方だよ、茨城県結城市。」
「ああ!前にふくふくが恐竜博物館に連れて来てた、亀甲絣の紬の着物着てる人?」
「たぶんその人だな」
「へー、あの綺麗な男の人かあ」
納得したように焼き鳥をもぐもぐと食い進めていく。
本人が納得したなら何よりだが勝手に俺の鶏皮を食うのはやめろ。






勝山さんのキャラが出来たよ記念。そのうち越前大野さんも出てくるはず。

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あわらさんと下妻さん

遅めのお中元として届いたのは走りの梨が段ボール1つ分届いてきた。
「あらあら……」
下妻さんとこうして仲良くし始めたのはちょうど去年の春のことで、まだこうして交流を持ち始めて1年ほどしか経っていない。
同封された手紙には仕事でバタバタしていてお中元が遅くなってしまった事を詫びる旨と、ちょうど下妻の名産である梨が走りなので少し早いけれど食べて欲しいという旨が記されている。
「美味そうな梨だな」
「あなた、来てたんですか」
ひょいと顔を覗きこませてきたのはいつもならここにいないはずの三国だ。
「ずっと坂井のところにいると息が詰まるからな、ちょいと抜け出してきた」
「あの人も大概欲の深いお人ですからね……せっかくですし、一つ剥きましょうか?」
「その前に昼飯が食いたい、その間に梨を冷やしておけば美味かろう?」
「分かりました、お雑炊でも拵えますね」
冷蔵庫に梨を二つ入れて、冷ごはんと野菜と卵を取り出してからふと思い出して三国の方を向く。
「あなた、後で一緒に下妻さんへのお礼状考えてくださいね?」
「それくらい俺もやるさ」
「あと机の片付けお願いします」





下妻とあわらが姉妹都市(しかも下妻にとっては唯一の姉妹都市)だという事実を知った記念。
三国あわらはひと昔前の亭主関白とその妻(ただし精神的には意外に対等)なのでその辺のイメージぶち込みつつ。
あわらの坂井評についてはおいおい。

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