忍者ブログ

コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

初物スイカで乾杯を

まだ梅雨明けしてないはずなのに本格的に夏の日差しが降ってくる。
(差し入れが重い……)
チョイス間違えたかなとぼんやり考えながら、スタジアムの控室の扉を開ける。
扉を開けた瞬間にクーラーのひんやりした空気が漂って来てちょっとほっとする。
「あ、ワイルドナイツじゃん」
「こんにちわ!」
そう言って声をかけてきたアルカスとナナイロに「差し入れに来たよ」と声をかける。
窓の向こうの試合を真剣に見ているのは、ながとブルーエンジェルズと三重パールズだろうか。
TKMは山九フェニックスのテーピングを巻きなおしているし、みんなどこか試合前の緊張感を帯びている。
「これで全員だっけ?」
「今試合してる日体大とVENUS、あとPTSとディアナが試合前の準備で、桜七ちゃんが運営の方行ってる」
女子の試合はそこまで詳しくないけど名前ぐらいは聞き覚えがある。
居ないものはしょうがないので彼女たちの分は後で渡そう。
「で、差し入れって?」
「大玉スイカ冷やして持ってきたよ」
クーラーボックスに冷やされた大玉スイカ(もちろん地元産)を取り出すと、フェニックスがそわっとこちらに視線を向けてきた。
「このスイカ切ってないじゃん」
「包丁とまな板持ってきてあるから」
お陰で重くてしょうがなかったが近くだからできる事でもある。
包丁で12等分にすると、ナナイロが目をキラキラさせながらこちらを見てくる。
ブルーエンジェルズもスイカが気になるようで時々こちらを見るので「全員分あるよ」と声をかける。
「……ジャージ、汚すの嫌なのでかけるものありますか」
ブルーエンジェルズの要望に応えて大きなごみ袋に首と腕が通る大きな切れ目を入れて「これ被れば汚さずに済むよ」と告げる。
そう告げると軽く頭を下げてビニール袋を被り、ジャージを汚さないようにパクっと頬張るとその味に目を輝かせた。
「私もスイカ貰っていいですか?」
試合が休憩に入ったタイミングでパールズも遠慮がちにそう聞いてきたので「全員分あるんでどうぞ遠慮なく」と手渡す。
アルカスは最初から何も言わずにスイカをバリバリ食っており、フェニックスとTKMもそれを見て「差し入れあざっす」「頂きますね」といってスイカを食べ始めた。
「まさか初物スイカが大会の差し入れになるとはねー」
「ちょうど休みだったし、一度見てみたかったんだよね」
女子セブンスの大会は男子15人制と雰囲気が大きく異なり、お祭り的な賑やかさで知られる。
しかし国内の女子セブンスの試合を見に行くタイミングはあまり多くなく、休みと大会日程が被ったので思い切って直接来てみることにしたのだ。
「そういうことね」
「アルカスの試合ってこの次の次でしょ、せいぜい見苦しくないようにしてね?」
「当然でしょ」
アルカスがスイカを手にニヤリと笑う。
スイカで程よく冷えた頭で、この街よりも暑い試合を見れるなら安いものだ。




------
ワイルドナイツと女子組。
太陽生命ウィメンズ、始まりましたね。

拍手

PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

バーコード

カウンター

忍者アナライズ