「22年ぶりの勝利って恐ろしい数字よね」
うちの姐さんがそう呟きながらタバコを揉み消す。
ワイルドナイツとの飲みを終えたあと、締めラーメン奢るから付き合えという姐さんに呼び出されて立ち寄った中華料理店で姐さんはそう呟いた。
「ようやっと二強時代が終わって新しい時代が来るっちゅーことやないですか?」
「まあそう言われればそうなんだけどね、ただ22年って長いわよね」
「それはそうですけどねえ」
「ほんと、昨今は色んなことが変わって行くわよねー」
姐さんは困ったようにラーメンを啜り、時々冷えた水に口をつける。
俺に日銭を与えてくれている鉄鋼業もつい先日大いに揉めていた合併話がまとまり、また新しい変化が起きることは目に見えている。
「そうですねえ」
「あなたの活躍が私の生きがいなんだから、来年はもっとがんばりなさいね?」
「来年こそは秩父宮やのうて国立招待しますよ」
そう言い切ると姐さんは満足したように「努力しなさいね」と笑った。
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スティーラーズと神戸さん