帰り道のチームバスの窓ガラスに泣きそうな自分の顔を見た時、思っていた以上に自分が落ち込んでいる事に気づいた。
先週のブルーレヴズ戦に続く手痛い敗戦の傷がじくじくと胸の奥で痛む。
(一人少ない時間だってあったのに、それでも勝ち点をもぎ取れなかった)
何がいけなかったのか?何を間違えたのか?と試合映像を見返しながら思考の袋小路に迷い込む程度には落ち込んでいる。
誰かに励まして貰いたいとは思うけれど甘えさせてくれる誰かが思いつかない。
「……めちゃくちゃ今メンタルに来てるな」
袋小路を全力で迷走してることを自覚してるのに意識を逸らす方法も思いつかない。
良くも悪くも俺はラグビーに生きてる人間だからこういう時に他の気晴らしがすぐに出てこないのだ。
(そう言えばまだ飲み切ってない酒があったっけ?)
唯一出てきた気晴らしの酒の事を考える。
確かウィスキーがまだ瓶半分ぐらい残ってたはずだが、炭酸水は残ってただろうか?
……レヴズに負けた後ハイボールを飲みながら試合を見返した時に飲み切ったんだった。
そう思いだすとギリッと奥歯を噛み締めたくなる。
ずっと強いチームなんてない。黄金期があって、暗黒期がある。どのチームだってそうだ。
けれどまるで自分の足先が暗黒期の泥沼に入ったのではないかと思うと不快でならないのだ。
やっぱりこういう時は、勝つしかない。
意識を切り替えて次の試合に勝つために練習する。それだけがすべてなのだ。
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ワイルドナイツのはなし。
19年ぶりの連敗と言うパワーワードよ。