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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

ただの夏の日

会社のイベントでお祭りに参加することになった。
特段こういうイベントが好きな方ではないので面倒に思うこともあるが、皆が楽しそうにしている空気をぶち壊す事をするほど幼稚ではなかった。
それにこれは四年ぶりの祭りだ。 多くの人がこの夏祭りを望み、この夜を楽しんでいる。
ぼんやりと屋台のご飯を食べながら祭りの景色を眺めて過ごしているとふいにこえがする。
「もうすぐ花火の時間ですよ」
そのとき、パンと破裂音がして光の筋が夜空へ昇っていく。
まっすぐに伸びる光の筋が一輪の光の花へ咲いていく。

(……ああ、いい花火だ)
繰り返し花火が開いては消えていくのをぼんやり眺めて、その夜をただ見つめて過ごしていた。

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直江津の話。製鉄所さんは時々地域のお祭りにもいます。

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ラグビーのある夏

「まだこの時間は暑いな」
サンゴリアスが日傘を片手にそう呟く。 試合開始を2時間前に控えた地下鉄外苑駅前はユニフォームを着た人でごった返している。
日本代表国内最終戦は秩父宮来れるメンツ全員で試合を見よう、という話になりいまここで待ち合わせている。
「夏だとまだこの時間は明るいしね」
「この時期は日が沈んでからでないとマジで命に差し障るよなあ」
代表戦が遅めの時間で良かったとつぶやくので、本当にそうだと頷いた。
「おつかれさまです」
「イーグルスか、午前中用事でもあったのか?」
「午前中ちょっと打ち合わせありまして。一度家で着替えてから来たんです」
「そりゃお疲れさんだな」
「サンゴリアスいた!」
そう声をかけてきたのはブレイブルーパスだ。
サンゴリアスを見つけると「お前面倒を俺に押し付けるのやめろよなー」と叱りつけてくる。
「いくらこの約束があるからってイベント後に挨拶行くくらいの時間的余裕あったろ?こういうの出来ないと苦労するのはお前なんだからな」
「先輩いるからいいかなーって」
「自分のことは自分でやれ!」
そうお叱りを受けるサンゴリアスは大きな身体をしゅんとさせ、それが愛らしくてふっと頬が緩んだ。
「こんばんわ」 「久しぶりだな」
同時に現れたのはダイナボアーズとブラックラムズだ。
なんで同時に?と思ったら渋谷駅で迷子になって間違えて東急線の方まで来てしまっていたのを、ブラックラムズが拾って連れてきたらしい。
ダイナボアーズ曰く、相模原の自宅じゃなくてみなとみらいの仕事場から来たから迷子になったとかなんとか。 まあ渋谷新宿は迷うよね……。
「おつかれさまでーす!」
最後に来たのはブルーシャークスだ。 こうしてちゃんと話すのは初めてだが日本代表ユニ着てるのに、何故か腕には自分ちのマスコットのぬいぐるみを抱えてる。
「清水建設江東ブルーシャークスです!到着は俺が最後ですかね?」
「そうだね、レッドドルフィンズは到着がギリギリになりそうって話だし」
今回参加を表明したメンバーはこれで全員になる。
ここまで大人数で見に行くのは初めてだがどんな風になるだろう。
「じゃあ秩父宮入ろうか」
ワールドカップ直前の代表国内最終戦という宴は始まったばかりだ。


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現時点実装済みの関東メンツわちゃわちゃ

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偶像(アイドル)の妄執

俺が子どもだった頃の一番古い記憶は、色んな人が俺のところを去っていく姿だった。
砂丘と海と神社しかない退屈な街を去っていく人の多さが確かに俺の記憶にこびりついている。
此花は『お前のせいじゃないさ』と慰めてくれ、和歌山も去ろうとする仲間を引き留めようと苦心してくれた。
でもこれは俺の問題であるのだから自分でどうにかしないといけないと言う気持ちが俺の中には確かにあったのだ。
そんな時、ふと目についたのが当時隆盛を極めていたアイドルを追っかけてあらゆるところに現れる人々だった。
美しい歌声や相貌に魅了された人々は、テレビ局の前から自宅(当時は結構そう言う情報が出てたから)まで追いかけ回してその人の全てを知ろうとしていた。
「ねえ、俺もジュリーみたいになればみんな好きになってくれるかな?」
「お前はもう既にジュリー顔負けの美少年だと思うけどねえ」
此花は呆れながらそう答える。
「違うよ、ジュリーみたいに俺がみんなを魅了する存在になればここに残ってくれるかなって」
此花は驚いたように俺の顔を見てから、少し宙を見て考えた。
そうして考えてから「そうか」とつぶやく。
「和歌山もお前のところの職員がすぐいなくなる問題については悩んでるし、うちからも今度部活をそっちに移そうか考えてるが、お前自身が努力しなくていい訳じゃないよな」
俺がこくこくと頷く。
最高に愛される俺にさえなれば、みんなここにいてくれる。
今となっては妄執のようなその思いは今も俺の中にハッキリと残っているんだ。


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鹿島の昔話。偶像と書いてアイドルと読んでください。

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きょうは夏祭り

もう日も暮れたというのに熊谷のまちはまだ暑い。
せっかくだからと浴衣を着てきたアルカスに対し、半分仕事で来た俺はチームポロシャツである。
「夏祭り感ゼロじゃん」
「何割か仕事出来てるからしょうがないんだよ」
そう言いながらアルカスが代わりに買って来てくれた屋台めしに口をつける。
何とも言えないチープなソース焼きそばの塩気が身体によくしみ込んでく美味しい。
「仕事って昼の巡行に出てたってだけでしょ」
「そのあと行政さんとか関係者のあいさつ回りしてて、戻る暇もなかったんだよ」
「はー、大変だねえ」
「アルカスも大学でお世話になるのやめてフリーターになればわかるよ」
オフシーズン中は自分と関わり深い立正大さんに養われつつ学生をやってるアルカスとは違うのだ。
と言うかあの人もよくまあずっとアルカスの面倒見れるよな……。
面倒になったので焼きそばを食べつつビールを飲んでいると、アルカスが「あ、」とつぶやく。
遠くからお囃子と光を纏った山車が四方から近づいてくる。
「叩き合いが来るよ」
四つの山車が向かい合い、自らの威勢を見せつけるようにお囃子をかき鳴らしキラキラと山車が輝いた。
この街に移ってから初めて見るうちわ祭りの叩き合いは例年より煌びやかだ。
何より観客もこの煌びやかな空間に目を奪われている。
「ワイルドナイツってうちわ祭りはじめてだっけ?」
「太田にいた時見に来たことはあるけど夜の巡行祭は初めて」
「じゃあ明日夜のひっかわせも見に行こう」
アルカスがにやりと笑う。
生まれながらの熊谷人であるアルカスが「本物のうちわ祭りを見せたげるよ」と言うので「じゃあ、お願いしようかな」と口にした。


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ワイルドナイツとアルカス
夏祭りといえば夜のイメージです。

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君とならやけ酒も楽しい

「ん゛あ゛ー゛!゛せっかく仕事休んで東京まで来たのにうちも君津のとこのかずさくんも負けるとか!」
鹿島が荒れ気味にそう叫ぶ。
気持ちは分かるがジョッキで机をドンドンするのはやめて欲しい。
「しょうがないだろ、勝負事は時の運だしな」
「なんかヤマハに負けたのもちょっと悔しいんだよねえ、サッカーならうちが勝てるのに!」
「別競技の話すんなよ……あとつまみ次何がいい?」
「軟骨食べたい」
「はいはい」
タブレットで手早く注文を出し、ついでに俺もレモンサワーを追加する。
かずさマジックの敗戦はやはり悔しい、悔しいのだが。
「こうやって試合の話しながら酒飲むって事自体が十分楽しいんだよな」
「それはそうだけどねえ……来年は日程ズレても俺かずさくんの応援行こうかなあ?」
「来るんなら歓迎するぞ」
今年は応援に来たメンツも多くて会って話をする楽しみを思い出せた。
「鹿島、」
「うん?」
「俺も来年はお前んとこの野球部応援いくわ」


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君津と鹿島と都市対抗

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