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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

きょうは夏祭り

もう日も暮れたというのに熊谷のまちはまだ暑い。
せっかくだからと浴衣を着てきたアルカスに対し、半分仕事で来た俺はチームポロシャツである。
「夏祭り感ゼロじゃん」
「何割か仕事出来てるからしょうがないんだよ」
そう言いながらアルカスが代わりに買って来てくれた屋台めしに口をつける。
何とも言えないチープなソース焼きそばの塩気が身体によくしみ込んでく美味しい。
「仕事って昼の巡行に出てたってだけでしょ」
「そのあと行政さんとか関係者のあいさつ回りしてて、戻る暇もなかったんだよ」
「はー、大変だねえ」
「アルカスも大学でお世話になるのやめてフリーターになればわかるよ」
オフシーズン中は自分と関わり深い立正大さんに養われつつ学生をやってるアルカスとは違うのだ。
と言うかあの人もよくまあずっとアルカスの面倒見れるよな……。
面倒になったので焼きそばを食べつつビールを飲んでいると、アルカスが「あ、」とつぶやく。
遠くからお囃子と光を纏った山車が四方から近づいてくる。
「叩き合いが来るよ」
四つの山車が向かい合い、自らの威勢を見せつけるようにお囃子をかき鳴らしキラキラと山車が輝いた。
この街に移ってから初めて見るうちわ祭りの叩き合いは例年より煌びやかだ。
何より観客もこの煌びやかな空間に目を奪われている。
「ワイルドナイツってうちわ祭りはじめてだっけ?」
「太田にいた時見に来たことはあるけど夜の巡行祭は初めて」
「じゃあ明日夜のひっかわせも見に行こう」
アルカスがにやりと笑う。
生まれながらの熊谷人であるアルカスが「本物のうちわ祭りを見せたげるよ」と言うので「じゃあ、お願いしようかな」と口にした。


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ワイルドナイツとアルカス
夏祭りといえば夜のイメージです。

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野球の季節とラガーマン

ラガーマンにとって夏はオフシーズンなので日本代表戦を見る以外はただただ仕事をこなす季節である、いや合宿とかもあるけど。
まあ比較的余裕のある季節なので全く関係ないイベントに呼ばれる事もままある。
「……東京ドームって何回来ても迷うなあ」
都市対抗野球の応援の手伝いとして呼ばれた僕はトランペットを抱えながら、応援席を探して歩き回っていた。
「レヴズ?」
「シーウェイブスさんなんでいるんですか?!」
「旅行で東京に来てたら応援に駆り出されてな」
「応援って、相手鹿島ですよ?」
「血縁じゃあないが鹿島もいちおう日鉄だからな」
そう言われればそうだった、どうもうちの親と接点の薄い業種だと覚えられないよなあ……。
シーウェイブスさんは応援グッズにビールと牛串やモツ煮などのセット、僕の方も身内の応援グッズで揃えてるからお互い見慣れぬ服装である。
「でもこんなとこで会えて嬉しいです」
「そうだな。ああ、あとお前さんのお兄さん来てるならうちの応援団とタイミング合わんようにした方がいいぞ」
「なんかありました?」
「鹿島さんとアントラーズが来てるんだが、ジュビロの身内になんか負けないぞー!って妙な気合い入れててなあ……鹿島さんはともかくアントラーズはすぐ帰るから帰り駅で鉢合わせたら面倒そうで」
「うちの兄さんとアントラーズさんってライバルでしたしねえ、Nボックスとかやってた時期なんでだいぶ昔ですけど」
「N-BOXはホンダの車だろ?」
「あー……まあいいや。とりあえず鉢あわないようにしときます」
「じゃ、応援頑張れよ」
そう告げると反対側へと抜けていき、それを見送りながら今日は純粋に観戦を楽しんでもいいかなあと思うのだった。


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レヴズとシーウェイブスと社会人野球の話。

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旅行に行く話

「熊本行きませんか」
イーグルスが突然そう切り出したのは6月上旬の事だった。
「突然如何した?」
「秩父宮でのオールブラックス戦のチケット取れなかったんで、熊本のほうのチケット見てたんですけど思ったより席に余裕あるから先輩と一緒に見に行ったら楽しいかなあって」
「あれはな……」
大人の事情故に新国立ではなく秩父宮開催となったオールブラックス戦は激しいチケット争奪戦となり、自分たちの中にも取れなくて泣き言を零した者は多かった。
関東勢全員でチケット争奪戦に挑んだが、無事にチケットを取れたのはダイナボアーズ・サンゴリアス・Dロックスの3人だけであった。
如何でも良いがサンゴリアスは運に恵まれているところが有るよな。
「にしても熊本か、旅行も兼ねてと云う事になりそうだな」
「もちろんそのつもりですよ。前日に温泉で一泊してから試合なんてどうです?」
「試合は土曜日だから前日休みか……1日位なら有休を使っても良いかも知れないな」
「じゃあ決定で、チケット類全部僕のほうで取っていいですか?」
「ああ、自分の分ぐらいは出すから金額が分かったら教えてくれ」
そんな訳で決まった温泉旅行。
試合観戦のついでに温泉や美味しいものを楽しむのは初めての経験である。

(これが所謂スポーツツーリズムと言うやつなのだろうな)

自分の身を以てスポーツツーリズムを味わってみるのも悪くない。


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ブラックラムズとイーグルス。
熊本での試合、行きたかったねえ

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なぜなに太陽生命ウィメンズ

アルカス「リーグワンが閉幕して暇を持て余していませんか?」
アザレア「でもね、あざれあたちはこれからが本番なの!」
フェニックス「北は青森から南は大阪まで、日本中を巡りながら日本一を決める大会!」
パールズ「それが太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ!!」
アルカス「と言う訳で今回は太陽生命ウィメンズをゆるーくご紹介する企画です」
パールズ「個人による簡単なまとめなので詳しくはご説明できませんが、興味があればぜひ!」

Q:そもそも太陽生命ウィメンズセブンズシリーズってなに?
アルカス「日本で行われる女子ラグビーの最高峰ともいえる大会、それが太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ!」
アザレア「5月から7月までやってるよ!」
フェニックス「大会はサーキット形式って形式で、二日間にわたる大会を4回行って各大会の順位ごとにポイント割り振って、一番ポイント取ったとこが総合優勝になるんだけど―……わかりにくくない?」
パールズ「サーキット形式なので各大会ごとの優勝と総合優勝がありますからね」
アルカス「でも日本各地を回って試合することで女子ラグビーの認知度は上がるからねえ」

Q:参加チームはどのくらいいるの?
パールズ「今年は16チームで争ってます!」
アルカス「ここにいる4人以外だと、山口のながとブルーエンジェルス・福岡のナナイロプリズム福岡・神奈川のYOKOHAMATKMがいるよ」
フェニックス「日体大や自衛隊の体育学校みたいな学生チームもあるんだけど、意外に手ごわいんだよねー……」
パールズ「チャレンジチームもいますしね」

Q:試合を見るには?
アザレア「アザレアはJAPAN RUGBY TVで見るのがお勧めなの」
フェニックス「ラグビー協会の公式YouTubeな、無料かつどこでも見れるしね」
パールズ「でも一番は現地観戦ですよね」
アルカス「まあそれはそうだよね」
パールズ「6月17・18日の鈴鹿大会の詳細がまだ出てません(執筆時)が、熊谷・秩父宮と無料優観客なので鈴鹿も有観客のはずなので詳細は協会ホームページで!」
フェニックス「一週間前には出してほしいけどねえ」

Q:みどころは?
フェニックス「セブンス特有の速さもそうだけど、戦う女のカッコよさはマジ最高だからまずはそこかな~」
パールズ「女子ラグビーはまだまだ発展途上の領域ですがだからこその面白さもあるはずです!」
アルカス「サーキット大会だからそこ日本各地を回れる面白さもあるしね」
アザレア「とにかくいちど見てほしいの!」
フェニックス「と言う訳で女子ラグビーもいいぞ!」

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馬と鹿

試合終了のブザーが鳴り響いた時、体がかすかに震えた。
もう一度スコアを見返せば17―15となっている。
「……おれ、優勝したんだ」
歓喜の声を上げる選手とスタッフの中で、俺だけが喜びに打ち震えて泣いている。
生まれて初めて得た日本一の称号が与えてくれる喜びと興奮が俺の中で爆発しそうになりなる。
表彰式の準備が目前で始まり、俺は選手一人一人を全身で称えながら「ありがとう」「おめでとう」と繰り返す。
「スピアーズ」
「ワ、イルドナイツ、?」
「……正直に言うね。準決勝でスピアーズにサンゴリアスに勝てたのは正直運の要素が大きいと思ってた」
ガツンと冷たい言葉が放たれる。
確かに準決勝はトライの取り消しやTMOが多く、そこに助けられた部分はあったように思う。
「でも今回の試合でうちの選手が自由にやれた時間はほぼなかった。
最後の木田選手の逆転トライと、そこから10分うちの攻撃を耐え抜いて2点差を守り切った根気。はっきり言ってうちの完敗だった」
ワイルドナイツの厳しくも率直な誉め言葉が俺の胸に突き刺さる。
俺の緩んだ涙腺はその誉め言葉への嬉しさを涙に代えてしまい、ぼたぼた雫が落ちる。
「……俺の事これ以上泣かしてどうすんのさ」
「来年のプレーオフではその顔を悔し涙にしてみせるから、来年もおいで」
「もちろん!来年も優勝カップ俺が持ってくから覚悟してなよ!」
表彰式の準備が終わり、選手たちが表彰台へ向かう。
そうして心からうちの選手を抱きしめてこの喜びを全身で分かち合うのだった。



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スピアーズとワイルドナイツ。
決勝、現地観戦組でしたがやべえ試合でしたね……木田くんなんであそこに居れるんだ……

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