優勝が決まった瞬間のあの空気が泡立つ瞬間は、何度体験しても新鮮な喜びに満ちている。
『鹿島アントラーズ、9年ぶり9回目の優勝です!』
スタジアムDJのひと言で冬のスタジアムに歓声が響き渡る。
芝の上の選手たちも優勝の喜びを分かち合うハグを交わしあい、周囲のサポーターたちも「おめでとう!」「ありがとう!」と声を上げていく。
そんな選手たちの輪から一歩離れた場所にアントラーズの姿があった。
遠くにいたはずのアントラーズと視線がかち合い、嬉し涙を抑えながらニッと笑う。
(俺が手放したあの子が、嬉し涙をしてる……!)
八幡というか上の人達の都合で手放した俺のいとし子は5年間、この街で血反吐を吐く努力の果てに再びシャーレを手にした。
もうアントラーズを俺の子は呼べないかもしれないけれどそれでもあの子は俺のいとし子で、鹿島砂丘に輝く一番星だ。
「アントラーズ!、大好きだよ!」
だから俺は精一杯きみへの愛を叫ぼう。
俺のいとし子、鹿島の一番星。大好きな、俺のアントラーズへの愛を!!!
鹿島アントラーズ、J1優勝おめでとうございます!