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コーギーとお昼寝

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This is Halloween!

明日のハロウィンに合わせてコスプレ写真を撮ることになったが、過去に使ったの衣装を捨ててしまっていい具合のものが見当たらない。
あまり選手と被ってしまうのも悪いし、サクッと用意できるものが思いつかない。
「それでこのミラクルセブンに相談って事ね」
「本当にどうしようかと思いましてね。ドンキで買うにも候補が多すぎて決めるのが……」
「シャイニングアークスだった時よりはマシだけど未だに仕事とラグビーに追われてる感じあるよねえ」
「うっ」
グリーンロケッツの言い分は否定できない。
自分が仕事のペース配分が下手なのか、純粋に仕事量が多いのか、どうにも仕事に日々追われている感がある。
だからこんなギリギリになってハロウィン衣装に頭を抱えることになるのだ。
「あ、懐かしの私立浦安アークス学園衣装は?」
「4~5年前のネタを引っ張り出すのはちょっと……あと衣装類捨てたんですよね」
アークス学園用の衣装もコスプレ衣装と一緒にまとめてたので捨ててしまった事に気づいた時、残してたら使い道あったか?と一瞬考えてしまったものである。
「えー、残念。じゃあ地味ハロウィン系で攻めてみよっか。うちのタッキーのコスプレはどう?アフロ貸すよ?」
「うちに移籍したタッキーのコスプレでいいなら」
「それはダメ。あ、ボディペイントの絵の具あるよ」
グリーンロケッツが何かを思い出したように絵具の箱を出してきた。
ボディペイントといえばラグビー界ではあの人しかいない。
「……世界最薄ジャージの人?」
「そういうこと。うちは今年ハロウィンやる予定ないし好きなだけ使っていいよ」
ボディペイントなら好きなように出来るし買い足す必要もない。
「借りてきます!」

****

翌日。
ボディペイントに選んだのは何かとなじみ深いラグビー日本代表ユニ。
紅白の横縞はラグビーを見てる人にはなじみ深いデザインである。
「Dロックスさんが日本代表びんぼっちゃまくんになってる……」
「びんぼっちゃまくん言わないでください」
胸やお腹はボディペイント出来たが、背中のボディペイントが出来ず絵具も切れてしまって残念な仕上がりになってしまったのである。
(……次のハロウィンはもう少しちゃんと準備しよう)
選手たちのコスプレを見ながらそう心に誓うハロウィンであった。


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Dロックスとハロウィンの話。

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六万人の夢のあと

「なーんか気の抜ける試合やったなあ」
ライナーズさんがやれやれという顔でそう呟くと「ホンマにな!」とスティーラーズさんが応じる。
ここは新横浜駅近くの飲み屋の個室、事前に僕の方で予約しておいた飲み屋では2時間ほど前に終わった試合の愚痴にあふれていた。
「一昨年のオールブラックス戦ときみたいな接戦やったらまだ諦めつくんやけど、一番頑張ってたのが大学生の矢崎くんなのはホンマどうかと思うわ」
「ワーナー・ディアンズも根性あったと思いますけど」
ダイナボアーズくんがポツリと口を挟む。
「わかる!あの独走はほんとに良かった!」
そう声を上げたのはブルーシャークスくんで、一緒に話していたルリーロくんやレビンズくんなどにも「そう思わない?」と振っている。
新規参入組はちょっと嘴挟みにくかったのかな?とちょっと心配してしまう。
でもまあブルーシャークスくん割とこういうの得意そうだし大丈夫だろう。
「1人ひとりの頑張りは認めるんやけど正直もうちょいやって欲しかったかなあ」
「関西から来た甲斐が無くなってまう感じはあったな」
そんなスティーラーズさんとライナーズさんに対して、レッドドルフィンズくんが「最初からオールブラックスを見に来たと割り切るのが一番いいのでは?」とつぶやく。
「オールブラックスは確かに良かったですよね」
「フォワードがなんであんなに走れるんだろう……」
「マイク無しでスタジアム全体にハカを響かせるのもすごかった」
「サンゴリアスとワイルドナイツおったらずっとそっちの話してたやろな、というかサンゴリアスはリーグワンヴィレッジにブース出してたのになんで本人不在やったん?」
ふと思い出したようにスティーラーズさんがそう聞いてきたので「サンゴリアスくんは地元のパブリックビューイング行ってたみたいですよ」と返しておく。
「パブリックビューイングお通夜になってそう……」「パブリックビューイング後の沈黙怖すぎひん?」
関西ふたりがなんとも言い難い空気になると、自然に周囲の空気も複雑になる。
「ま、まあ元気出して!飲み放題なのでお代わりしましょ!ね!」
「イーグルスも酒飲んでいいんだぞ」
「ダイナボアーズくんも僕が下戸なの知ってるでしょ」



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リーグワンヴィレッジ参加組のお話。
ニュージーランド戦、見に行ったけど……うん……。

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今日は僕の日なので

あ、兄さんお帰りなさい!今日の夜ご飯はハンバーガーですよ!
ええー?さすがにハンバーガー作れませんよ。うちのオフィスに併設してるお店のテイクアウトです。兄さん食べたことないかなと思って。
ベーコンチーズと照り焼きビーフ買ったんで好きなの食べていいですよ。あ、ベーコンチーズ。まあ兄さんならこっちですよね。ポテトとオニオンリングは半分こで。
じゃ、頂きます。
久しぶりに食べると美味しいですよねこういうの。毎日はちょっとヤですけど。
……ハンバーガーにした理由?んー、今日うちの社長が『きょうはOne Revsの日だ』って言ってて、それってつまり僕の日だなあと思ったから、かなあ。
アレですよ、自分へのご褒美って奴です。ここのハンバーガー意外にいい値段するんですよ?
好きな人とちょっといいものを食べるって贅沢かなあって。
兄さんもたまにいいもの食べて頑張りましょ?9日の試合、予定調節して応援行きますから。
僕いつか兄弟ダブル優勝するの夢なんですから。


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レヴズさんと兄さん。
いつもとちょっと書き方違う感じの短編でした。

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おいしいふくおか

ブラックラグビーが久しぶりに福岡に来たので、福岡空港まで迎えに来ての第一声は「小腹空いた」だった。
「久しぶりとかじゃなくて腹減ったかい」
「仕方ないだろう、どうにも小腹が空いててな」
「じゃあうどんでも行くか?」
「ラーメンでなく?」
「朝から豚骨行けるんならラーメンでもええけど」
そう言ってみるとえー?と言いたげな微妙に引いてる顔をしてくる。
なら最初からラーメンなどと言うなよと思うが、特に思いつくものが無かったのかもしれない。
「じゃあ、めんたいフランスとコーヒーで」
「せっかくなら発祥の店連れて行ったるわ」

*****

博多の中心部にある人気のパン屋でめんたいフランスをかじると、満足そうににっこりと笑った。
「……これが元祖の味か」
「ここの明太フランス本当に美味いよな」
ちなみに俺は米粉のあんぱんを牛乳といっている。
「いつも来ると思うが、福岡は美味い飯が多いがそこまで案内して呉れる友人がいると言うことは有り難い事だな」
ブラックラムズが感慨深くそう告げてくる。
まあ、気持ちは分かる。
「長く生きてると友人知人に置いていかれるもんなあ」
「ヴォルテクスなど長生きの桁が違うから尚の事然う感じるのでは無いか?」
「桁が違うって程ではないけどな。ブルースみたいについこないだ産まれたようなやつが先立ってくのを見ると哀しくはなるなあ」
「長生きと言う物は難しいな。置いていかれるのも嫌だが、長生きしなければ観られなかった景色もある」
「本当になあ」
ブラックラムズが柚子胡椒フランスに手を伸ばし「こう言うものも長生きで出逢える味よな」と呟いた。



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キューデンヴォルテクスとブラックラムズ。まあまあ長生きコンビが飯を食うだけ。

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たとえば君のいない日が

釜石製鉄所はその歴史の中で何度か廃止危機に見舞われ、そのたびに生き延びてきた。
「つくづくこうして生き延びてるのは奇跡よなあ」
「急にどうしたんです?」
「いや、合理化されずにこうして生き延びることができるってのは奇跡だなあと」
釜石が何を思ってそんなことを言うのかはよく分からないが、八幡からすれば釜石が死なないと言うのは当然のことのように思う。
なんせ日本の近代製鉄そのものである、冗談でも廃止などと言おうものなら色んな方面から何を言われるかわかったもんじゃない。
企業が製鉄所を廃止する苦労は呉で十分体験済みである。
「あなた不在で日本の鉄の歴史が紡げるとお思いで?」
「お前はちとわしを買い被り過ぎよな」
新日鐵誕生の時、廃止を避けるため目の前の相手のみならず周囲がいかに奮闘していたかは釜石本人も知るところだ。
「買い被りじゃありませんよ」
「そうか?」
「ええ。だいたいそれを言うなら私も廃止って言われかねませんし、たぶんあなたが死んだら私も一緒に死ぬことになりますよ」
それは冗談でもなんでもなく、八幡は常々心の隅でそう思っていた。
釜石に置いていかれるぐらいなら一緒に死んだほうがいい。
それに後継としては戸畑や君津がいるのだし、自分と釜石の不在でこの国の鉄鋼業が死ぬ事はない。
「……お前もちゃんと考えてたんだな」
「それなりには。だからあなたが死ぬ日はたぶん私も死ぬ日ですよ」
八幡の目に潜む150年ものの愛と執着を釜石は何事もなく受け入れる。
「死出の旅は2人ぼっちか」


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八幡と釜石。ギリBLではないと思う。

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