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コーギーとお昼寝

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ただただ料理を作る話

自粛自粛で何もできない週末は料理を作り置きしておくことにした。
まずは手洗いうがいをして余計な菌を落とす(このご時世なので衛生面は大事だ)
今月の頭にぬか床から作り始めたぬか漬けをかき混ぜ、捨て漬けのニンジンの切れ端を齧ってみる。
「……うん、もう本漬けにいけるかな」
残りの捨て漬けは外の植木の肥やしにでもしておけばいいか。指先についたぬか床も風味が出始めてる気がする。
野菜室にぎゅうぎゅうに詰めた新鮮野菜から、まずは大根と人参、キュウリを引っぱり出す。
にんじんは縦半分に、大根も大きいから四分の一に割ろう。キュウリはそのままでいいか。
昨今は野菜や肉が随分と値下がりしてるのでいつもなら手に入れられそうもない飲食店向けのいい野菜が一般向けに流通してるからありがたい。
軽く塩を振って塩もみすればあとは大きなタッパーのぬか床に漬けておくだけだ。
「……大きめのたるでもあれば自家製のたくあんとか漬けられるのになあ」
残った大根は薄切りにしてと一緒に塩・昆布・唐辛子で浅漬けにする。浅漬け器は元から持ってたし、すぐに漬かるだろう。
次は春キャベツでザワークラウトを作ることにしよう。
大鍋で保存ビンを煮沸消毒し、その間に春キャベツを太めの千切りにしておく。
春キャベツは柔らかいし葉の量が少ないからひと瓶で二玉ぐらい入るだろうし、煮沸してるビンは2つ。なら4玉はイケるだろうか。
キャベツを千切りにしてると充電器に挿しっぱなしだったスマホがけたたましく鳴り響いた。
とりあえずハンズフリー通話にすると、聞きなれた同郷の先輩が『もしもし?』と問いかけてきた。
「工場休みのブレイブルーパス先輩どうかしましたー?」
キャベツを刻みながらそう問いかければ『しょっぱなからそういうのやめて』という厳しいコメントが飛ぶ。
『あと先週貰った浅漬けといちごのジャムすごい旨かった、ありがとう』
「どういたしまして、いまザワークラウト作ってるんで完成したらひと瓶持って来ましょうか?」
『ザワークラウトってあれでしょ、酸っぱいキャベツの漬物。あれ家で作ってんの?』
「だって暇だし」
『暇を持て余し過ぎじゃない?というかそんな漬物ばっかり作って……』
「生野菜は日持ちする奴でも限度ありますしね、漬物か冷凍惣菜にして今のうちに今年一年分ぐらい作っとこうかと」
『いや多い多い、そんな作る必要ある?』
「飲食業なんで農家は大切にする主義なんです」
『あー……どうせなら他の奴にも持ってきなよ。イーグルスとか、ダイナボアーズとか』
「イーグルスはともかくダイナボアーズさんはちょっと……雰囲気怖いし……」
『あいつが怖いのは顔だけだよ、まあ俺が持ってってもいいけど』
「じゃあそうします」
そうこうしてるうちにキャベツは全部刻み終わったので、瓶を煮沸してたお湯を大きめのカップに汲んでボウルに回しかけて消毒する。
ボウルにキャベツをぶち込んで、しんなりするまで塩もみ作業だ。
『あとまだ作ったりすんの?』
「しますよ。きょうは良い卵と牛乳あったからこの後タルタルソースの作り置きと牛乳寒天にして、グリーンピースは豆ごはんにして、今あく抜きしてるたけのこは大根と蕗で煮物にして、あと昨日甘夏箱で注文したから届いたらマーマレードにして……『多い多い多い!』
『もう作り置きのレベル超えてるでしょ、それ全部一日で作るの?』
「作れますよ?日持ちするようにしとけば食べるのはいつでもいいし」
『まあそうだけどさ……太るよ?』
「それなんですよね!」
塩もみが終わったキャベツを煮沸した瓶にひたすらぎゅうぎゅうに詰める。
『……太るのわかってて作るの?』
「だってやる事ないんですもん。仕事そんなにないしトレーニング機材も勝手に使えないんで」
瓶にキャベツをめいいっぱい詰めたら、上に重しをしてしばらく置いておく。
『それで延々と作り置きに行く?』
「先輩もご飯作る手間省けるでしょ」
『トレーニングしなよ……』
「平日はしてますよ、ただトレーニングし過ぎも体に良くないんで土日は休みです」
たけのこのあく抜きもいい頃だ、たけのこと蕗の煮物に移ろう。
あく抜きに使った鍋はかるく水洗いして蕗の下茹でに、瓶の煮沸に使った鍋はタルタルソースの卵を茹でるのに使うことにした。
蕗の板ずりの間にお湯を沸かし、卵は水から茹でてエッグタイマーも入れておく。
『うん……確かにお前の公式であげてる一般向けトレーニング動画明らかにプロ仕様だもんな』
「あれぐらいの強度なくちゃ俺の身体が鈍るんですよ」
『ファンは一般人ってこと忘れてるだろあれ、アークスみたいにラジオ体操ぐらいにしとけよ』
「ラジオ体操もしますよ、トレーニングの前に」
『oh……お前そう言う奴だったな』
なんか呆れられてる気がするが気にするまい。
蕗の下茹でとゆで卵づくりの間に、たけのことわかめを食べやすく切っておこう。。わかめは後で入れるので別の容器に入れておく。
「先輩の方は派手になんかやったりしてませんよね」
『お前やレッドスパークスみたいにトレーニング動画作ったりはしてないな。というか朝晩のあいさつ動画とか塗り絵作ってるスピアーズは準備良すぎだと思うんだけど』
「野生児っぽいから勘で準備してたとか?」
『田んぼ駆けずり回ってるもんな』
「あー……千葉の三人って何だかんだじっとしてなさそう」
『アークスもあれで走り回ってるもんな、半分ぐらいは周りのせいだけど』
「ほかの皆もどうしてるんですかねー」
『元気にはしてるだろうけどねー』
下ゆでの終わった蕗を取り上げて、軽く水で冷やしてから筋取りをして食べやすいサイズにざく切りにする。
あとはたけのこと一緒に煮込んで、最後にわかめを合わせるだけでいい。
その隙に卵と酢と油をハンドミキサーで混ぜてマヨネーズを作り、新玉ねぎと先週作ったピクルスをみじん切り器で粗みじんにしておく。
「あー……」
『なに?』
「いや、タルタルソースに色味足りないから人参足そうかなって」
『お前は一体何を追及してるの?』
わりと真剣にそう問われれば「何なんでしょうね」としか答えられないのであった。





暇を持て余した府中ダービーのくだらない話。

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要するにみんな暇

*暇を持て余した短編集です


・マスクを縫う話(加古川+神戸)
要らないハンカチとガーゼでマスクを作ることにした。
このところ本社に行くことも無ければ、灘浜にこもりきりの姉さんやスティーラーズ君に会う事もない。
仕事はあれど需要低下で仕事量そのものが減ってしまって、あまりにも……そう、あまりにも退屈なのだ。
髪の毛用のゴム紐を結ってハンカチの穴に通せば姉さんに丁度いいサイズのマスクが仕上がった。
「……この調子でみんなの分作ろうかな」
次はスティーラーズ君、その次は真岡のぶんだ。
何かの役に立てばいいと思いながら次のハンカチを型紙と合わせるのだった。

・カレーを煮込む話(君津)
昨今はアホみたいに食材が安い。
給食用のものが市場に出回ってるせいか値崩れを心配するレベルで色んなものが安くなっている。
「だからってなんで俺は野菜ジュースで野菜を煮込んでるんだろうな?」
小松菜・セロリ・ニンジンの葉・キャベツ・ダイコン・アスパラ・林檎をすりつぶした汁に、櫛切りの新玉ねぎ・ニンジン・ジャガイモを放り込み、大きめに切った豚バラと牛すじを鍋に突っ込んで煮込む。
自分でももはや何を作ってるのかよく分からないがどういう訳か香りは美味そうなのが不思議だ。
あとはここにカレールーを入れて溶かすと、不思議なことに普通に美味そうなカレーになる。
カレールーは偉大だ。ついでに食材の大量消費にも貢献できてるから、きっとこれもいいことのはずである。あぶん。

・惰眠をむさぼる話(八幡)
こんなにのんびりできるのはいつ振りだっただろうかと思いをはせてみる。
ここ数年はずっとバタバタしていた気がするし、戸畑に仕事を移したこともあり随分と気楽だ。
(……駄目だ、眠い)
世間はソーシャルなんたらとかオーバーシュートだと騒がしいが、窓から注ぐのは春の日差し。
春眠暁を覚えずと言うし春と言うのはとにかく眠くなるものだと思う。
「おやすみなさい」
虚空にそう呟くと春の日差しは疲れた心と身体を心地よい眠りにいざなった。

・お取り寄せの話(千葉+水島)
サッカーの楽しみの一つに、遠征に行くことがある。
これは俺の周りのサッカーを見る奴が全員同意してくれたから自信がある。
「水島!こっち今お酒届いたよ!岡山の桃ワイン!」
『こっちも千葉のソーセージと酒届いてる』
水島お勧めの岡山の味を呑みながら、ダゾーンでサッカーを見る。
それぐらいさせて貰わないと暇すぎて死んでしまいそうなのだ。
「んじゃーどの試合見る?」
『ヨーロッパサッカー見たい』
「ん、分かった。キックオフと同時に乾杯ね」
『はいはい。福山見ないのー?』
画面の向こうから今ちょっと無理!なんて声が聞こえてくる。
「早くリアルで見れるようになんないかなあ」
そう呟きながら俺は名試合の始まりを待つのだ。

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回る世界を追いかける

新年度を迎えた本社はバタバタと気ぜわしい雰囲気になっている。
昨今話題の新型ウィルス、本日付けで吸収合併される日新製鋼との雑務、組織改編に伴う仕事の山、年度替わりの雑務……と挙げればきりがない。
本来は出張不可のはずだというのにわざわざ八幡さんが私を呼び寄せてきたのはそうした雑務の山に埋もれてのことだろう。いつものことだ。
「おはようございます、八幡さん」
「お疲れ様です……」
ここ数日本社に詰めっぱなしだった八幡さんは少々疲れてるように見えた。
つけていた布マスクを外し、アルコール入りのウェットティッシュでさっと手指や周りの物を拭って隣の椅子に腰を下ろす。
「ウエットティッシュ貰っても?」
八幡さんにウエットティッシュを差し出すと、彼は手指や顔を拭ってから「さて、と」と話を切り出した。
「戸畑、この新年度からあなたに私の仕事を一部委譲しようと思うんですが」
「……はい?」
「今まで八幡製鉄所の仕事を全部あなたに代わりに処理して貰ってましたけど正式に権限を委譲しようと思いましてね。製鉄所内事案の決裁権、ずっと私が握ってましたけどきょう付で八幡製鉄所がなくなって九州製鉄所になっちゃいますしね。
私が持っててもしょうがないでしょう?」
あまりにも当然のことのように八幡さんは語る。
私は随分あっさりと八幡製鉄所であることを手放したな、と驚いて声も出ないというのに。
製鉄所の仕事を委譲するという事は私が八幡製鉄所の守り神も兼任することになる。
具体的に言うなら設備の異常が八幡さんではなく私の身体に痛みとして届けられ、製鉄所本人に決裁が求められる書類も私が最後の確認印を押すことになる。
「私はこの先、本社業務の比率が増えそうですからね。もうこれ以上仕事を抱えてられない……というのがまあ率直なところなんですけど。
もちろん私が権限を手放したところで私が日本製鉄の八幡製鉄所八幡地区であることには変わりありません。ただ、ずっとあなたに面倒なことを押し付けてるだけじゃただの悪い上司ですからね、ちょっとはその恩に報いようと思いまして」
「権限を増やすことが恩に報いることですか」
「そういう事ですね。私のところの設備があなたの言う事聞いてくれるかは未知数ですけど……まあ、私の言ったことには従ってくれますから」
八幡さんの表情は妙に穏やかだが、その本心は私にも読めないものだった。
「それでいいんですか」
「いいんですよ、完全に取り壊された日にはどうせ製鉄所内の権限はあなたに行くんです……いや、世界遺産になったから完全取り壊しはないですかね。どっちにせよ私が……八幡地区の全設備が稼働停止になって製鉄所としての機能を失う日もいずれ来るでしょう、その予行演習だと思えばいいじゃないですか」
八幡さんは実に淡々と言い放つ。
私はしばらく思考をこねくり回すため天井を見上げるが、結論はすぐに出た。

この人が私に仕事を委ねるというのならばそれに従うべきだろう、私の存在意義はこの人の下にある。

生みの親は私を八幡さんに買収させるために産んだようなものだった。親に与えられた生まれた理由に従わない理由は私にはない。
私が同意したとみると八幡さんは白紙にペンを走らせ、一部権限の委譲証明書になった。
「戸畑、ここにサインと押印を」
私はいつものボールペンをカチリとノックして、その名を書き込んだ。
すると少しだけ体が重くなったような感覚が身体に届いた、分かりやすく言うなら寝ている間に両手に一キロの重りを巻かれていたような、そんな感じだ。
「……ああ、これで多少は身軽になりましたね」
「私はむしろ少し重くなりました」
「でしょうね。私も新日鉄誕生時や住金との併合の時に指先が重くなった覚えがありますから」
身体の重さと権限の重さが連動してるとは知らなかった、と私が呟くと「まあそうでしょうね」と呟いた。
「でもすぐに慣れますよ、何より全部あなたの決裁で仕事が進むからいちいち私を待たずに済んで楽にはなるはずですよ」
「そうだと良いんですけどね」
八幡さんは「呉たちの様子を見てきますね」と立ち上がっていく。
私はまだ慣れない身体を少しづつ動かしながら、考える。

あの人は少しだけ軽くなった体で日本の製鉄業を腕に抱えたまま走り続けるのだろう。
恨まれようとも憎まれようとも、苦しい状況が続く鉄鋼業の未来をあの人なりに守りたいと思っている。
爆速で回り続ける世界をあの人は追い掛ける。私はあの人の帰る場所を守る。これからも永久に。

(……きっと、それでいいのだ)
それが私の生まれた理由ならば。


戸畑ちゃんと八幡さん。

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散りゆく桜になるとして

最後の荷物を段ボールに詰めながら僕はひどく寂しい気持ちになる。
2020年3月31日、きょうは日鉄日新製鋼の最後の日だ。
コロナだ五輪だと騒がしい世間をよそにこのところ僕の頭の中を占めていたのはそのことばっかりだった。
「周南、そろそろ寝ませんか」
「呉……」
どこか案じるように僕を見る紫の眼差しを見ると、苦しくなる。
この碧い海を探す冒険が終わることを。みんなで未来を切り開いてきた日々が終わってしまう。
泣き崩れそうなほどに、それが苦しかった。
「呉、」
「はい」


「……愛してる」

僕の口から洩れたのはただその一言。
吐き出すような愛の言葉を彼は静かに受け止めて、「俺もですよ」と呟いた。


周南と呉。

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画面越しに笑いあう

昨今話題の新型ウィルスの影響で事務職員のほとんどが在宅勤務に切り替えられ、しわ寄せを食らいまくってる今日この頃。
「そういや今度うちに5G導入するって」
「ああ、そう言えば言ってたわね」
「でも導入するの千葉兄ぃのとこだけじゃん、うち(西日本製鉄所)にも入れてよー」
「それは経営陣に言って」
日常的な話題はネット通話、チャットや社内クラウドで仕事の進捗を把握。家から出なくても仕事が出来るなんてまったく便利な時代になったものだとつくづく思う。
「だからさー、来月辺り携帯買い替えようかなあって思うんだけど」
「千葉、あなた携帯この間買い替えなかった?」
「今使ってるスマホ、5G4K非対応だから対応してる奴欲しいなあって」
西宮や水島とネット通話で雑談しつつ仕事出来るのは、職員から目を通してほしいと言われた書類に目を通したり書類をスキャンしてクラウドに移したりと言った単純作業がメインだからというのもある。
「今もう色んな作業がネットやパソコンで出来るから便利になったよねえ」
「ほんとよねえ、仕事があるって伝えるために煙突から黒煙燃やしてた時代からだいぶ進化したわよね」
「西宮、それいつの話?」
「戦後すぐぐらいだからー……もう半世紀ぐらい前ね」
「半世紀どころじゃないじゃん!」
「水島、ちょっと黙って」
「福山今日厳しくない?」
突然福山の声が飛び込んでくる、同居してるから同じ部屋で作業してるのかもしれない。
「今ちょっと切羽詰まってるから……」
「あ、そっか。ヘッドホン使う?」
「うん」
福山がヘッドホンを使う事で決着がついたらしく、「ちょっと離脱ー」と言っていなくなる。
その隙に福山が「すいません大声出して……」と詫びてくる。
「いいのよ、むしろこっちでうるさくしてごめんなさいね」
「水島はうるさいぐらいでちょうどいいんですよ、むしろ静かなときの方が怖いです」
「そう?あんまりやかましいようだったら私のほうでお説教喰らわせてもいいのよ?」
「いいんですよ、元気な水島が私は好きなので」
「……何それ惚気?」
「さあ?」
「ただいまー」と水島が戻ってきた。
「福山のヘッドホン取ってきたよ」
「ありがとう」
そう言って福山の声がなくなると、西宮が「水島、」と急に切り出した。

「あなた、福山ちゃんの事大事にしなさいよ……」

「大事にしてるよ」
けろりとしたトーンで言い返すので、既婚者(同性だけど)強いなあなんて思うのであった。


仲良しJFE組

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