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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

今日の反省会

「規律って大事よね」
ラグビーの試合を見終えた姉さんは天井を見ながらそう言った。
大方の予想を裏切って負けてしまったことに姉さんは落ち込み気味のようだった。
「ほんとですね」
正直、私も落ち込んでる。
確かに先制点取られはしたけど向こうが一発退場で14人になってたから大丈夫だろうと信じてたのに!!!!まさかんなにパスミスや反則取られるなんて!!!!
今頃撤収作業中であろう静岡のスティーラーズくんの顔を思い出しながらなんとも言えない気持ちになる。
「一件の災害の裏には300件のヒヤリハットがあるって言うわよね」
「ハインリッヒの法則ですね」

「ラグビーもスティールワーカーも同じ!ヒヤリハットが悲しい結末を生む!
そうだわ、来週はヒヤリハットゼロ週間にしましょ!!!!!」

そう叫ぶ姉さんの目は若干正気が失われた目をしていた。
「社長に話してくる!」
「姉さん今日日曜日です!!!!!!」
ヒールとは思えないほどの俊敏な動きで本社へ向かう姉さんを素足で追いかけるハメになり、大変な目にあったがこれはスティーラーズくんのせいにしようと心底思った。

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新幹線が変形するアニメのはなし

-注意-
アニメシンカリオンとその続編2話までの視聴を前提とした話です。
ネタバレはたぶんありませんがご注意ください。

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息抜きに黄金の湯浴み

「疲れた」
水曜日の夜、ぼそっと口から洩れた言葉にスティーラーズと加古川が眼差しを曇らせる。
「……姉さんお疲れですか」
「別に気を遣わなくてもいいわよ、加古川だって疲れてるのに」
「お互い様じゃないですか」
スティーラーズがその様子を見て突然電話をかけてきた。
「あ、社長。遅くにすいません、俺ですスティーラーズです。
前から申請してた俺の休みの事なんですけど姐さんたち……あ、はい、神戸さんと加古川さんです。あの二人も追加で休ましてあげられません?
ええ、ちょっと有馬の湯で疲れを抜いてもらおうかと。……はい、はーい、了解ですー。失礼しますー」
「ちょっとスティーラーズ?」
「あした、温泉行きましょ」
スティーラーズがにこやかにそう告げる。
「突然すぎて怒られそうなんだけど」
「社長がええ言うたんならええやないですか、ね?」

***

木曜日、神戸の奥座敷・有馬は小雨が降っていた。
「本当に良いのかしら」
「せやから所長さんにも許可とったやないですか」
けさスティーラーズが加古川と私のところの関係者にも連絡を入れ、もとからあった休みを含めて木金土日と有馬で過ごす算段を立てた。
スティーラーズが持ってきたビニール傘を差しながら小雨降る山間の温泉地をのんびりと歩く。
「そういえばスティーラーズ君は元から休みなんですか?」
加古川が温泉街で買った炭酸せんべいをかじりながら尋ねてきた。
「ええ、バイウィークの間にちょっとでも体の疲れを抜いとこうと思って。薬やとドーピング引っ掛かりますから温泉のほうが色々都合良くて」
「有馬なら近いしドーピングには引っかからないものね」
「そういうことです。あ、ここです」
スティーラーズが入ったのは有馬のはずれにある旅館だった。
連れていかれたのは大きめの離れで、露天風呂もついた畳敷きの部屋だった。
「ずいぶんいい部屋とってたのね」
「いつもは離れなんか高くて取りませんよ、急に人数増えることになったもんやからお宿さんがここしか用意出来んって。
あ、お茶飲んだら俺お風呂行くんで姐さんたちのんびりしててください」
お茶とお菓子を軽くお腹に収めたスティーラーズはさっさと本館のお風呂へと向かっていってしまい、残されたのは私たち二人。
年度初めの四月でしかも平日昼間だというのに、温泉と言うのは些かの罪悪感がある。
思考を巡らせていると加古川が思い立ったように「せっかくだし入りませんか」と口を開いた。
「せっかくスティーラーズ君が連れてきてくれたんですから、ね?」
「……そうね」
そうと決まれば露天風呂への入浴だ。
いつもの服を脱ぎ、ヘアメイクとともに汗も洗い流してから、温かい湯船に二人で身体を浸ける。
お湯の優しい肌触りがお疲れさまと言うように疲れをほぐしてくれる。
「こうして二人でお風呂って何年ぶりだったかしら」
加古川が小さかった頃はたびたび一緒にお風呂に入る事もあったけれど、もうここ20年ぐらいはそんなこともしていなかった。
「私が小さい頃以来ですよ」
「そうよね、あなたの身体も随分変わったものね」
「多少は成長しました?」
「ええ」
日本の鉄鋼業を取り巻く状況は決していいとは言えず、コロナ不況はまだ収まる気配を見せない。
そんな状況で張りつめていた気持ちをほどいて二人でのんびり雨音を聞く時間はやさしい。


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こべるこ姉妹のいちゃいちゃ。

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青天を衝きたい

「最近釜石が大河の長文感想私に送ってくるんですよね」
八幡さんがため息をつきながら釜石さんから届いたという長文感想メールを私に見せてきた。
今年の大河の主人公と言えば多くの企業たちに影響をもたらした人物であり、元々大河が好きだという釜石さんがワクワクしながら見てるのも分かる気がする。
「長文ですね」
「ただ問題はここなんですよね」
そう言って指さしたのは3話で水戸藩が大砲を幕府に献上したシーンについての感想だった。
「『高任さんの大砲をもっと深堀りしてほしかった』……?どういうことですか」
「釜石、水戸藩が裏主人公って聞いてから『高任さんと那珂湊反射炉が出るかもしれん!』ってずっとワクワクしてたんですけどさらっと流されちゃったんで落ち込んでるみたいなんですよ」
水戸藩が現在の茨城県ひたちなか市に作った那珂湊反射炉は釜石さんの生みの親である大島高任の建造した反射炉である。
この反射炉づくりと水戸藩による大砲鋳造が橋野高炉や釜石製鉄所へつながっていくので、いわば水戸藩の大砲は釜石さんの兄弟分のようなものなのだ。
「それは無理筋では?」
「私もそう思ったんですけどね。ほんと、どう返事しますかねえ」
ため息をつきながら朝茶を口に含む八幡さんにふと思い立って口を開く。
「でも私と小倉さんなら出る可能性ありますしそっちで我慢してもらう、と言うのはどうですか?」
「関わってましたっけ?」
「ええ、渋沢さんはうちの創立に関わってますし小倉さんのお兄さんのとこは取締役会長でしたし」
「それで釜石の気が晴れるといいんですけどね」
そう言いながら釜石さんへのメールの返事を書き始める八幡さんの目は、どこか遠くを見てるのだった。


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戸畑と八幡。青天を衝け毎週見てますか。

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大みそかの前には

「はー……今年も掃除するものの多いこと」
捨て損ねた段ボールや粗大ごみを車に積んだ姉さんが呟いた。
「ほんとですね」
車の助手席まで乗せられたゴミの類はこのあとごみ処理施設まで持ち込むことになる。
本やCD・洋服なども去年の大掃除に全部リサイクルショップに持ち込んだのに、今日の大掃除に確認したらやはり増えてしまっていたから減らすのも大変だった。
「これ捨てに行ったらもうだいたい終わったかしら?」
「家の中の虫よけを撒きなおして、水回りと台所の洗剤を洗い流して防カビ燻煙材撒いて、クリーニングに出した布団やカーテンを付けなおして終わりですね」
「……思ったよりまだ残ってるわね」
今朝からずっと掃除していた姉さんはもうすっかり疲れてしまったようだ。
リサイクルショップにお使いを頼んだスティーラーズ君もぼちぼち帰ってくる頃合いだし、後は私と彼で何とか出来るだろう。
「じゃあ洗剤だけ洗い流したら休んでてください、虫よけは夏までにやればいいですしこのごみ類は私が捨ててきますから」
「お願いするわ」
姉さんが家に戻っていき、私は車に乗り込んでごみ処理施設まで車を走らせる。
車窓の町並みはクリスマスから年越しに変化しているのを見ていると、長く生きているからもう飽きてもいいくらい見ているはずなのに年の瀬の景色には新年への期待が沸いてくる。
帰りにはクリーニングに出したものを取りに行こう。
災難だらけの2020年もようやく終わるし、災難も苦労も全部捨てていこう。


2021年はもっといい年になりますように。

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