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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

銭湯にて

「生き返るぅぅぅ~……!」
お湯に肩まで浸かったスピアーズがとろけそうな顔でそう呟く。
ここは鈴鹿市内にある昔ながらの銭湯で、まだ沸かしたての熱いお湯が冷えた体に染みわたる。
「そりゃよかった」
「悪天候でもラグビーやるのは醍醐味とはいえ、見る側には堪えるよアレは」
今日の鈴鹿市内は雪と強風に見舞われ、多くのサポーターが寒さに震えていた。
(選手にとっては火照った体を冷やすのには良いんだけどねえ……)
ベンチスタッフとして試合じゅう動き回っていた俺と違い、今日のスピアーズは客席で見ていたようだからいつも以上に寒さが堪えたようだ。
「天気はどうにもならないからなぁ」
「勝ち試合じゃなかったらファンの人に申し訳ブファッ?!」
スピアーズの顔面に水鉄砲でお湯をぶっかけると、奇声をあげてせき込む。
「それ俺のファンにも言える?」
「ゴメンナサイ……」
今日負けてしまったうちのファンだって同じように寒さに震えながら応援してくれたのだ、もうちょい言葉を考えて欲しい。
「まあ、でもこういう日は応援してくれる人のありがたさを感じるよね」
「悪天候でも見に来てくれるってすごいもんね」
「宇都宮に移ってからも見捨てちゃいけないよな」
「そうだね」
いま暮らしている鈴鹿とこれから暮らす宇都宮、このふたつの街をちゃんと愛していこう。
俺を、ホンダヒートを、大事にしてくれる人が居る限り。



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ヒートさんとスピアーズ。
今日の鈴鹿は大変でしたね……

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新年のご挨拶2026

スピアーズ「新年あけましておめでとうございます!今年は午年、馬だけに皆さんも色んなことがウマく行きますように!」
結城「おや、今年は初めて見る人ですね」
スピアーズ「クボタスピアーズ船橋東京ベイです!」
結城「ラグビーの子ですかね……でも、何故?」
スピアーズ「うちのマスコット、ユニコーンなんですよ。俺もウマ成分ちょこっとあるので」
結城「なるほど」
桜川「しーくんのところはホースパークあるよ!」
笠間「流鏑馬の話でもするか?」
美浦「でも茨城で馬と言えばうちじゃない?(澄んだ瞳)」
結城「あー、茨城の馬スポットなら美浦のトレセンですよね」
スピアーズ「でも選ばれたのは俺なので!」
結城「それもそうですね。とりあえず、今年もよろしくお願いします」

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銀河鉄道に乗る日

『お前を手放すことにした』
親に告げられたその言葉に絶望的な気持ちを抱いたあの日の事を、きっと永遠に忘れられないだろう。
このミラクルセブンもかつて見送っていった仲間たちのようにこの世界を離れていくのだろうと思って、泣きたい気持ちをごまかすように飲み干した緑茶の熱さも。
死ぬかもしれないという絶望と、面倒を見てくれる人さえいれば生きられるという希望を胸に、色んな会社を回った日々を思い出す。
革靴を履きつぶしスーツが擦り切れそうになりながら、それでも生き延びる希望を探し回った日々がようやく結実した。
目の前にはフラッシュの雨に降られるチーム関係者とJR関係者。
グリーンロケッツ東葛はNECを離れ、来年からJR東日本のラグビーチームになる。
「グリーンロケッツ、おめでとうございます」
「ブレイブブロッサムさん」
しだれ桜の髪をまとめたその人が穏やかな微笑みをこのミラクルセブンに差し向ける。
今回はラグビー協会にもずいぶん助けて貰った。
「これからも頑張ってくださいね」「はい」
祝福の言葉がぎゅっと胸を抱きしめてくれる。
その一言のあとブレイブブロッサムさんはふらりとまたどこかに行ってしまうけれど、感謝を込めて小さくお辞儀をする。
ポケットに入れていたスマホが振動すると、いっぱいの通知が届く。
『グリーンロケッツ存続できるんですか?!』
『存続おめでとう!次の休みはDロックスと三人でお祝い焼肉にしない?』
『グリーンロケッツ存続おめでとう、JRさんと仲良くな』
『おめでとさん!鉄道関係で聞きたいことあったら連絡してな~』
次から次へとメッセージの届くスマホをぎゅっと握りしめる。
(……まだ、ミラクルセブンは、この世界でラグビー出来るんだ)
ラグビーのある幸せを、素敵な仲間のいる幸せをかみしめる。
「グリーンロケッツ、」
声をかけてきたのはこのミラクルセブンの生みの親・NECその人だ。
「さっきからずいぶん通知が鳴ってるね」
「バイブ音うるさかった?」
「いいよ、それはきっとお前が愛されてる証拠だもの」
「そうだね」
この鳴りやまない通知はこのミラクルセブンの存続が決まったお祝いにこうして連絡をくれる仲間がたくさんいるという事の証明でもある。
「グリーンロケッツ」
「うん?」
「こんなとこで言っていいのかは分からないけれど、

私は今もお前を愛してる」

ぽつり告げられるこの声には愛と切なさが滲んでいる。
正直NECという会社の業績は好調だ、それでもこのミラクルセブンを手放すという結論に至った。
その経緯については正直よく分かっていない。
けれど、嫌いだから・憎んでいるからではないとはっきり言ってくれたことは救いだった。
「このミラクルセブンも、NECというひとを愛してるよ」
誰かが言っていた、別れも愛の一つだという言葉を思い出す。
だからこの別れは最後の愛なのだ。
「じゃあね、ミラクルセブンはラグビーの一番星になりに行くから」



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グリーンロケッツとその周囲。存続決定めでたい……。
BGM:銀河鉄道999

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きみと太陽系デスコ

優勝が決まった瞬間のあの空気が泡立つ瞬間は、何度体験しても新鮮な喜びに満ちている。
『鹿島アントラーズ、9年ぶり9回目の優勝です!』
スタジアムDJのひと言で冬のスタジアムに歓声が響き渡る。
芝の上の選手たちも優勝の喜びを分かち合うハグを交わしあい、周囲のサポーターたちも「おめでとう!」「ありがとう!」と声を上げていく。
そんな選手たちの輪から一歩離れた場所にアントラーズの姿があった。
遠くにいたはずのアントラーズと視線がかち合い、嬉し涙を抑えながらニッと笑う。
(俺が手放したあの子が、嬉し涙をしてる……!)
八幡というか上の人達の都合で手放した俺のいとし子は5年間、この街で血反吐を吐く努力の果てに再びシャーレを手にした。
もうアントラーズを俺の子は呼べないかもしれないけれどそれでもあの子は俺のいとし子で、鹿島砂丘に輝く一番星だ。

「アントラーズ!、大好きだよ!」

だから俺は精一杯きみへの愛を叫ぼう。
俺のいとし子、鹿島の一番星。大好きな、俺のアントラーズへの愛を!!!


鹿島アントラーズ、J1優勝おめでとうございます!

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今夜はきみの声で

『今夜は釜石と喋りながら寝ます』
八幡が突然よく分からない電話を寄こしてきたのでは?と思わず聞き返した。
『去年はアメリカで直接会えずに終わったので今年こそは!と思ってたら室蘭のアレの対応でそっちに行けずじまいで終わったので今日は釜石の声を聴いていたいです』
「お疲れさん」
室蘭の火事には心が痛むものがあった。
見舞いのメールは送ったが、返事はまだ来ていない。たぶん向こうもバタバタしてるのだろう。
『と言う訳で今日は釜石の声を聴いて寝落ちしたいので、最近の話聞きたいです』
「お前ほぼ毎日連絡寄越してるんだから把握しとるじゃろ」
『じゃあなんか寝物語になりそうなものでも朗読してくださいよ』
「無茶言うなあ……」
仮にも今日は鉄の記念日・わしの誕生日だというのに、これじゃあどっちが祝われる側なのか分からない。
けれど今日の八幡の苦労を想像することは容易だ。
(まあ、それでも甘やかしてしまうんだよなあ)
だって八幡がそんな甘え方をしてくるのは自分しかいないのだ。
(子守歌でも歌ってやるか)
ふいに口をついて来たのは宮沢賢治の星巡りの歌だ。
窓の外の夜空は室蘭や東京にも繋がっていく。だからきっとこの歌なのだろう。
そうして一通り歌い切ってやれば電話越しの呼吸は寝息に代わっている。
「お疲れさま、今日はゆっくり寝ろよ」
ちょっと自分を好きすぎるきらいのある可愛い後輩の、健やかな眠りを祈って電話を切った。

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釜石と八幡と鉄の記念日。

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